Σ(シグマ)型屈折梯子車

日本機械工業が1985年に発売を開始したタイプでΣ型のブームという世界的に見ても類を見ない珍しい車両です。独自のリンク機構によりブームを垂直に伸梯することができ、従来型と比べ、ベース車両の小型化、作業半径の拡大が図られています。何度かのマイナーチェンジを重ね、バリエーションも増え、現在に至っています。

Σ16m

東京消防庁成城消防署配備 シャーシ:いすゞP-FSR12HA改 エンジン:6BG1F(6,490cc・129kW) ブーム:16.3m(NT-16Σ) 製作:1985年 日本機械工業

この車両はスカイアームΣの記念すべき1号車です。5t級シャーシがベースです。全油圧駆動で、操作台とバスケット内の4本のレバーで操作します。バスケットの許容荷重は250kgで、地上0mまでの伸梯は可能です。この車両は傾斜矯正装置が付いておらず、ジャッキの敷き板で車両を水平にしていました。



成田市消防本部赤坂消防署配備 シャーシ:P-FF174BA改 エンジン:H07C(6,720cc・129kW) ブーム:16m(NT-16Σ) 製作:1990年 日本機械工業

7t級シャーシをベースに作られています。ブームは電子制御式でジャイロターンテーブル型の傾斜矯正装置が付いています。



 

 

浦安市消防本部浦安市消防署配備 シャーシ:KL-GD1JGD改 エンジン:J08C(7,980cc・162kW) ブーム:16.2m(KΣ160201) 製作:2002年 日本機械工業

この車両は最新型のスカイアームΣ16で5t級のタンク車などに使われるシャーシがベースで、非常にコンパクトにまとまっています。ブームの操作はターンテーブル横の操作台とバスケットから行い、操作台にはカラー液晶式の状態表示器を装備しています。傾斜矯正装置は、ジャッキで完全に車体を持ち上げ、前後左右の微妙なジャッキの調整で車両を水平にします。アウトリガーの張り出し幅も約2.4mと短く、狭い場所での伸梯が可能です。バスケットは折畳式で、屋根の低い車庫にも収納可能になっています。また、バスケット内から左右45度への首振りも可能です。フォグテック(高圧噴霧消火装置)を装備し、ブーム操作の為の油圧を利用してポンプを駆動させています。このための130Lの水槽を装備しており、地上だけでなく、バスケットからの単独放水が可能です。


Σ20m

高萩市・十王町事務組合消防本部高萩消防署配備 シャーシ:日野U-FF3HKAA改 ブーム3節20.3m(NT-20Σ)製作:1994年 日本機械工業

この車両はキャブをバス型(後部ドアを折り戸)にし、後部の居住空間を広くとっている車両で、後部座席は立つ事ができます。また、YO式空気送気装置を備えており、バスケットから空気呼吸器に空気を送る事が可能です。この車両は1994年の東京国際消防防災展に参考出品された車両です。


Σ25m



 

 

清水市消防本部東消防署配備 シャーシ:KL-FH2PLGA改 エンジン:P11C ブーム:25.5m(NT-25ΣA) ポンプ:A-1級(J2) 製作:2002年 日本機械工業

この車両は8t級シャーシをベースにA-1級ポンプと3,000L/minのモニターノズルを装備し、大型高所放水車としての機能も持った車両です。、このような仕様にすることにより、従来の10t級シャーシと比べ一回りコンパクトに出来、普段使われることの殆んど無い、大型高所放水車としての機能だけでなく、梯子車としての機能も持ち、上手な配置の仕方だと思います。



久慈地区広域行政事務組合消防本部久慈消防署配備 シャーシ:いすゞKL-CVR80K3改 エンジン:8PE1F(15,201cc・210kW) ブーム:26m (NT-25Σ) 製作:2001年 日本機械工業

8t級のいすゞギガベースの車両です。スカイアームシグマはブームを某大手油圧機器メーカーK社でのOEM生産されている為、ベースになるシャーシの融通がきかず、初期の車両を除き、ほぼ例外なく日野のシャーシで作られています。その中でいすゞをベースにした車両は大変珍しいです。こちらの消防本部では誰が見ても格好いい車両作りに心掛けているそうで、外観にもこだわっており、トピー工業製社外アルミホイール、メッキバンパー、メッキ化粧パネル、リアコンビネーションランプと華やかに出来ています。フォグテック(高圧噴霧消火装置)を装備しており、バスケットからの放水も可能です。

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